硝子体注射とは

眼球(白目部分)に注射針を刺入し、薬剤(抗VEGF薬)を直接注入していく治療法です。
視力に影響を及ぼすとされる眼疾患(滲出型加齢黄斑変性、糖尿病黄斑症、網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫、近視性脈絡膜新生血管、血管新生緑内障など)に対して用いられます。

抗VEGF薬は異常な血管を縮小させる効力があります。異常血管はもろく、出血やむくみを起こします。出血やむくみは場合により不可逆的な致命的な視力低下につながるおそれがあります。異常血管は主に上記疾患から生じることが多いです。

眼球(白目)に直接注射針を刺して注射しますが、怖いと思われますが薬液も少量ですぐ終わります。また非常に細い針で痛みはほとんどありません。消毒薬のほうがしみることがあります。

治療の流れ

  1. 目ぐすり麻酔
  2. 十分な目の消毒
  3. 下を向いてもらって注射
  4. 器具を外して終了
    目が慣れるとともにすぐに帰院

同注射を受けた直後は、院内で一定の間は安静にしています。その後、何も問題がなければ、細菌感染を予防するための点眼薬の使用等についての説明を受け、ご帰宅となります。なお当日は、ご自身の運転(車・バイク・自転車 等)による来院は控え、公共交通機関をご利用ください。また注射日の翌日は目の状態を医師が確認しますので、ご来院ください。

この硝子体注射は病状の安定と病変を小さくはしますが完全に治癒することはありません。そのため例えば加齢黄斑変性だと最初の3ヵ月までは、月1回の間隔で注射を受けます。その後は、患者さんそれぞれの目の状態に応じて注射のスケジュールを立てます。

注意事項

  • 目の周りの化粧(アイシャドウ、マスカラなど)は注射当日から2~3日は控えてください。
  • 目の周り以外の化粧(頬のファンデーション、アイブロウなど)注射当日から1日控えてください。
  • 保険診療対象ですが1回の注射の目安 保険1割で約18,000円 3割で約50,000円程です。(高額療養費制度が適応される場合あり)
  • 1%以下の確率で眼圧上昇、眼内炎、白内障進行、脳梗塞、生理不順などの併発症があります。