オルソケラトロジーとは

寝るときに特殊なコンタクトレンズを付けて、朝目が覚めたら外し、日中何も装用していない状態で過ごせる近視矯正法です。

最近では小児の近視進行抑制効果にも注目があり、約3割が実際に近視進行予防に効果があったとする報告もありました。年齢制限はありませんが、強い近視である、睡眠時間を多くとるのが困難といった場合は不向きとされています。一般には小学生低学年~高齢者まで適応となります(小学生の方は保護者の方の管理と協力が必要です)。

使用するレンズは、ご自身の角膜と比較して曲率半径が大きいハードタイプのコンタクトレンズになります。同レンズを装用して眠りにつくことで、角膜の形状は変化(扁平化)していきますが、毎日就寝中は装用するが必要があります。

オルソケラトロジーによる利点につきましては、日中は裸眼での生活が可能なので不便さを感じることはありません。またレーシックのような手術療法と異なり、角膜を削るなどすることなく近視を改善することができるということがあります。また治療を途中で止めたいとなれば、レンズの装用をしなくなるだけで、角膜の形状は2週間程度で元に戻るようになります。

その一方で、ハードコンタクトレンズを毎日装用することになります。したがって、レンズのメンテナンスが不十分、あるいは装用方法が正しくないとなれば、何らかの感染症に罹患する、目に障害が起きるというリスクがあります。このような状態にならないためにも、レンズをしっかり管理し、正しい装用方法を学びます。さらに定期的に眼科検診を受けられることも大切です。ちなみにオルソケラトロジーによる矯正治療は、全ての患者様に有効とは限りません。

治療の開始にあたって

同治療法を希望される場合、まず適性検査を行います。内容としては、視力検査や角膜の形状の測定を行うほか、これまでに何らかの眼疾患に罹患していたか等も調べていきます。

その結果、オルソケラトロジーの治療をすることに問題ないとなれば、各々の患者様に合うとされるレンズを選び出します。その後は、付け心地なども確かめるテストレンズ期間を経て、患者様ご自身の専用レンズを作成し、それを就寝中に装用することで治療の開始となります。なお治療期間中は、一定の間隔で通院します。開始間もない頃は1週間に1回のペースですが、その後は月1回となり、最終的には3ヵ月に1回の割合となります。