白内障

カメラに例えるとレンズの役割をする水晶体が濁る病気です。
レンズが濁ると、かすみ、ぼやけ、まぶしさを感じるようになり日常生活に影響を及ぼすようになります。
原因は様々ですが、多くは老化です。他に、糖尿病やアトピー、長期のステロイド投薬、目のケガなどがあります。
残念なことに現在の医療では一度濁ったレンズを目薬などでは元の透明な状態に戻すことはできないので、一般的に日常生活に不自由が出たら、手術によって濁った水晶体を取り除いた後代わりの人工レンズを入れ、水晶体の役目をさせます。

白内障手術

白内障手術は主に超音波水晶体乳化吸引術によって水晶体を取り除きます。
その後人工レンズをいれますが、種類としては、単焦点眼内レンズ、多焦点眼内レンズとありますので、どの眼内レンズにするかをあらかじめ決めておきます。

それぞれの特徴ですが、単焦点レンズは近方もしくは遠方のどちらか一方にしかピント(焦点)が合わないレンズです。そのため、見えにくい距離については、眼鏡をかけるなどして矯正します。ただ同レンズは手術もレンズもすべて保険診療となります。一方の多焦点眼内レンズは、近方と遠方等、2点以上の距離にピントを合わせられます。したがって眼鏡等の矯正レンズを使用するシーンは減少しますが、同レンズは選定療養扱いとなります。つまり多焦点レンズは保険適用外なので、その部分に関しては自由診療、手術に関係する費用については保険適用となります。したがって費用は割高となります。そのほかのデメリットとしては、コントラスト感度の低下、慣れるのに時間がかかるといったこともあります。

手術の流れ

手術当日の流れですが、予定時間までにご来院ください。ただ目の手術となりますので、ご自身の運転(車・バイク・自転車 等)による来院は控えてください。手術前は点眼による局所麻酔を行います。これによって痛みをほぼ感じなくなります。
手術時間は10~20分程度になります。その後30分程度、院内でしばらく安静にし、異常がみられないと医師が判断すれば、術後の注意点などの説明を受けた後、ご帰宅となります。
術後翌日から診察ですが、その後問題なければ1~2日後、1週間後 2週間後、1か月後 2か月後、3か月後と通院していただきます。頻度は非常に低いですが感染による眼内炎の併発症発症のリスクがあるため必要です。また術後はしばらく見え方が不安定ですので視力測定による経過や眼鏡処方を正確にするためにも定期的な診察は重要となります。

手術後の注意点

術後はまぶしさを感じるなど手術前とは見え方が変化します。

  • 術後慣れるまでは車の運転は控えてください
  • 点眼薬の使用に関しては、医師の指示に従ってください
  • 洗顔は1週間程度不可(目の周りは清浄綿で拭く)洗髪はドライシャンプーなどで行ってください
  • 激しい運動、飲酒、長期旅行などは医師に相談してからにしてください